サンプルホーム

ちょっとタイムス 2024

鶴岡タイムススタッフが感じたりしたことを書いているコラム。
■2023年 掲載はこちら ■2022年 掲載はこちら ■2021年 掲載はこちら ■2020年 掲載はこちら

令和6年3月15日号

 ローマ字のつづり方について、国の原則の「訓令式」表記を約70年ぶりに改訂し、「ヘボン式」が普及している実態に合わせる、との文化審議会報告の報道を読んだ。小学校で習う訓令式と、普段よく使っているヘボン式の違いにとまどうことがついになくなるのか! と一瞬思った。
 アメリカ人が作ったヘボン式は英語圏の人が発音しやすい。日本人が作った訓令式は、かなの各行ごとの母音が統一してある点で覚えやすい。例えば「ちかてつ」はヘボン式で「chikatetsu」、訓令式で「tikatetu」。
「おちゃ」は「ocha」と「otya」。後者にちょっと気持ち悪さを感じるのは、英語が身近になっていることの表れか。
 でも、便利なのはあくまで英語圏の立場。「cha」をフランス語圏では「シャ」、スペイン語圏では「カ」と発音するようで。世界人口70億のうち英語を実用で話すのは15〜17億人。多様な言語に対応する意味では、訓令式の方がSDGsなのか。どっちが良い悪いの話でないようだ。t-tak

令和6年3月1日号

 まったくの偶然で中学校時代の文集(自分の物ではありません)に再会しました。思わず手に取りページをめくると、私が1年生の時の文集でした。目次にはしっかりと私の名前もあり、読んでみると父の手伝いで雪下ろしをしたことが書いてありました。あまりに稚拙な文章で、作文の内容のことは割愛します。
 当時は毎年のように屋根の上に1・5㍍ほどは雪が積もり、その重みでふすまが開かなくなるので雪下ろしは必須でした。
 雪下ろしの作業は、屋根の雪が目に見えて減っていくのが楽しく、晴れた日には空の蒼と鳥海山まで続く白い風景を見るのが好きで、親に言われなくともよく屋根に登っていました。
 40年前の雪景色にひととき思いを馳せましたが、現実に戻るとまれに見る暖冬です。寒さがぶり返した2月23日、梅の花が咲いた致道館に表紙用の写真を撮りにうかがいました。ゆっくり、まっすぐ降る雪は、春が近いことを教えてくれているようでした。(M)

令和6年2月15日号

 子供を連れての日帰り温泉巡りにハマっています。かといって、全国の名湯に行くわけではなく、目安としては車で移動して片道2時間以内のいわゆる「安近短」の温泉巡りです。
 以前、「野湯」というものがあると聞きました。人里離れた山奥や海沿いにあり、人の手が入っていない源泉らしいです。機会があれば、一度でいいから野湯に入ってみたいと思っていました。
 そんなある日、野湯ではないのですが、川の隣にある温泉をみつけ、天気の良い日に子供を連れて向かいました。川を眺めながら入浴でき、風情があるなと思っていましたが、着いたらびっくり。水深はとても浅く、仰向けでなんとかお湯につかることができる程度で、水温もかなり高め。もし頑張って入浴したとしても、川向こうの道路や駐車場などの周囲から丸見えの状態で、子供と二人で全裸でそんな温泉につかっていたら、おかしな親子もしくは死体と思われそうだったので、諦めました。    (小)

令和6年2月1日号

 バレンタインの季節がまたやって来た。毎年あげる人は決まっていて、旦那さんと息子。2人ともそんなに喜んでいる風には見えないので(本当は喜んでいるのかも)、結局は私が食べたいチョコレートを買ってしまいます。
 今年は、本命チョコでもなく、義理チョコでも友チョコでもない「推しチョコ」が流行っているらしい。好きなアイドルやアニメなどのキャラクターの推しをイメージしたチョコレートを買って、グッズなどと一緒に写真を撮ったり、「推し活」仲間に配ったり、新しい楽しみ方のバレンタインを計画している人もたくさんいそうですね。
 各菓子メーカーや菓子店などで、バレンタイン限定のとってもおいしそうなチョコレートがたくさん販売されているのをながめながら、今年はどのチョコレートにしようかと真剣に悩み中です。
 私の「推し」って? と考えてみたけれど、今のところ見あたりません。もしかして私の「推し」は「限定」に弱い自分なのかも…。 (F)

令和6年1月15日号

 元日早々に起きた「令和6年能登半島地震」。激震と津波、大規模火災で壊滅的な被害を受けた地域の状況を連日報道が伝えている。全体の被害が把握できておらず、安否が分からない人もまだ多数いるとのこと。被災された方々を思うと心が痛むばかりだ。
 大きな揺れの後、大津波警報が発令されると、NHKアナウンサーは冷静に状況を伝えるのをやめ、緊迫した絶叫にも近い声に変わった。「一刻も早く岸から離れること」「命を守る行動を最優先に」「あなたが『逃げろ』と周りに呼び掛けて」と。
 「ヒステリックで怖い」との意見もあるが、あれは東日本大震災で失われた多くの命によって得た教訓。同じことを繰り返さないための叫びだっただろう。「震災を忘れる」「津波を甘くみる」ことの方がよっぽど怖い。
 一方、被害映像や辛い情報にさらされ続けることは心に負担が掛かり、トラウマにもなり得る。必要な信頼できる情報を判断し、最小限に抑えることも大切だろう。 t-tak

令和6年1月1日号 「わくわく」する鶴岡に

 新年を迎えるにあたり、これからの鶴岡市がどうなっていくのだろう考えていると、12月19日に「第2回鶴岡市中心市街地将来ビジョン・中心市街地活性化基本計画策定委員会」が開かれると聞き、取材しました。
 人口減少や高齢化社会への対応が急務の鶴岡市が、概ね15年後の中心市街地の将来像を描き、それを実現するために取り組むハード・ソフト事業を策定する委員会です。来年度以降の、具体的な取り組みに関しての議論に期待しています。
 その中で新しい鶴岡市立図書館整備についての意見が複数の委員からあり、「食文化に関するコーナーを設けたらどうか」「劇場のような図書館が話題になっている」「本の並べ方に特徴を持たせたら」などが出されました。2020年にオープンした酒田駅前交流拠点施設「 ミライニ」併設の酒田市立図書館は、駅前周辺に人が集う施設となっています。
 私も以前から図書館を建て替えるとなった場合、どの場所が良いのか、どう変わるのかなど、たいへん興味がありました。今後、市民からさまざまな意見や要望を吸い上げ、設計に盛り込んでもらいたいと思います。
 委員会では「わくわく」というキーワードも出てきました。若者が「わくわく」する生活を送れたら、自分が住んでいる地域に対する誇りを持つことができ、進学などで鶴岡を離れても、また帰ってくるきっかけになるということでした。
 私も小学校の低学年の頃、一日市から駅前まで書店や飲食店などを祖母と歩いて回り「わくわく」した思い出があります。それがまちづくりに関わりたいとの思いとなり、始めたのが鶴岡タイムスです。
 取材を機に、創刊当初の思いがよみがえりました。若者だけでなく全世代が「わくわく」する鶴岡になるように、鶴岡タイムスの発行を通して貢献していきたいと思います。

有限会社鶴岡タイムス社代表取締役 長谷川松浩